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リミットノート

同主調行き来してるのもあるが

12回転調している。

​こんなにコードの乱れる楽曲が存在するんですね

転調にはさまざまな意味がある、どこでどのように転調しているかによってとらえ方も色々ある

Ⅰイントロや間奏のみ転調 (Eric Claptonの”Layla”など)
Ⅱ サビだけ転調 (Stevie Wonder “Sir Duke”など)
Ⅲ 大サビだけ転調 (MISIA “Everything”など)
Ⅳ 部分転調 (ゴンチチ “放課後の音楽室”など)
Ⅴモーダルインターチェンジ (The Beatles “Let It Be”など)
Ⅵ 各セクションごとに転調 (ボカロ / アニソンに多い)

これらはよく使われる手法ですが、”転調の効果”については理論体系化されていない。この事実をどう解釈するかということが重要だと思う。
あくまで個人の考察だが

Ⅰイントロや間奏のみ転調→演奏面の都合?楽器ごとに得意なキーがあるため、演奏性を考慮して変えている可能性がある。
Ⅱサビだけ転調→サビで世界が切り替わったかのような演出効果が期待できる。
Ⅲ大サビだけ転調→最後の盛り上げ効果が期待でき、曲が終盤に差し掛かっていることがリスナーにも伝わりやすい。
Ⅳ部分転調 →楽譜上は転調として扱わないこともあるが、短い期間キーが変わることで曲をよりミステリアスな雰囲気に持っていけたり、いきなり場面転換するのではなく、グラデーションをかけながら別のキーに自然に移行できる。いわば短期間で引越しをしているようなもの。
Ⅴモーダルインターチェンジ→聴感上は部分転調と似ているが、実際は引越しはしておらず模様替えをしたレベルの環境変化しかない。
Ⅵ各セクションごとに転調→実際に楽器を弾いて作られていない (打ち込み)、もしくは演奏されることを前提としてないため、非現実的な転調を繰り返す。作曲者のレベルが高くないとできないが、このような転調の乱用を非難する声もある。

ポイントは、楽曲が突然豹変したように転調するのか、それとも迫り上がるように徐々に変化していくのか。これも印象をガラッと変える要素になる。「転調した結果どうなったか?」「その調性をどうとらえるか?」を視野に考察していく。

この曲では、楽譜上12回転調している。キーは
・C#m (#4つ)
・Em (#1つ)
・Bm (#2つ)
・Bb (♭2つ)
・Eb (♭3つ)
の5つ登場。この5つのキーに関連性は感じない、途中でメドレーみたいになっているところを除けば楽曲のメインになっているところはほとんどが
・E / C#m (#4つ)
・G / Em (#1つ)
になっている。またこの2つのキーを平行調 (#の数を変えずに別の調名)で表すとEとEmになるため、”同主調 (E↔︎Em)を行き来している”と読むこともできなくはない。視覚的にわかる転調について言えることは以上。ただ、部分的な転調や聴覚上違和感のある経過節がいくつかある。

・P102「キーを変えてもいいんじゃない?」の歌詞ではまだ転調の記譜はないが、実はその後のE (#4つ)に向かってジワジワと部分転調が始まってる。それが証拠にP102「スカイツリーくらいあれ」の部分でコードがC→Dとなっています。この部分、いかにもGに解決しそうなコード進行ですが、フェイントで実際はEに突き進んで最初のキー (#4つ)に戻っており、これにより強い安心感を持てるような設計になっている。P111「あの日見た夢〜」でも同じ手法でC→DからGに行かずにE (#4つ)に突入してスムーズに転調していく。
・もちろん、ちゃんとC→D→Gに解決しているシーンもあります。P103「最高の半音先までいける気がする〜」の部分に出てくるC→Dは、裏切らずにGに着地。
・個人的に面白いなと思ったのは、同じくP103「(諦めら)れない」の部分で、ここはキーがG (#1つ)にも関わらずG7/D→G7の進行が登場。これはキーがC (調号なし)のII - Vと読むこともできる。この流れなら本来Cに解決するとスッキリするのだが、またEm (G)に戻っていく。一瞬Cに浮遊したにも関わらず、Em (G)の重力に引き戻されているように感じるのです。これが聴いててほとんど違和感がないのが不思議。P104「(どうしようも)ない〜」のAも本来ならDに解決したいコードですが、一旦Amに進んでからDsus4に。さらに最後のB ([E]の直前)も、またEmに戻っていくことを強調しているようにも感じる、それを裏切ってC#mに進んで転調 (#4つ)。
・その後、もはや全く別の曲にも聞こえる歌が数回インサートされているので、ここに関しては端折る。ただ、いろいろあった後でも帰ってくるのはやはりE (#4つ)なんだなというところで、何度転調してもここが主軸になっていると言えると思う。
・[K]のセクションで用いられたのは増音程ではない。増音程に感じるのはおそらくコードがAm/EとFになっているところ。ここはかなりアラブ音階的なアプローチがなされているので、記譜上ではキーがEでも、その中で動くコードは西洋音楽理論的にはやや異質。増音程は「長3度や完全5度などの和音からさらに半音広がった状態」の認識ですが、このあたりはむしろクローズされた音程に見える。
・転調の仕方については、シレ〜ッと変わっているところもあれば、やや強引に場面転換をしているところもある。


 
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